わたしの本断食レポート ②

断食療養所の名前は静養院と言います。

 

大正7年に開かれた日本最古のもの。

 

奈良の生駒山の中腹

海抜400mのところに

名前の通り静かに佇んでいました。

 

生駒聖天といわれる宝山寺が

隣接しているので、気晴らしに

皆で散歩に出かけたものです。

静養院の今の断食方針は次の通り。

 

① 食べない

② 動かない

③ 考えない

 

いわゆる断食道場のように

「鍛える」場所ではなく

肉体、神経、内臓に休息を与えて

体を原点に戻すための場所ということ。

 

当時の私の断食に対するイメージの中に

【神経に休息を】

の意識はこれっぽちも無くて

 

ただ単純に、腎炎が良くなればいい

それだけでした。

肉体も神経も内臓も、全部つながっているのに

当時はそんなことにも気づいていなかったのです。

 

ですから

この際、読む暇のなかった英語の

ペーパーバック版を読み切ろうと

何冊か持ち込んだりして・・・

今思うと、「何やってんのよ!」と言う感じですね。

 

規律は緩やかでした。

 

① 買い食いを防ぐために

入所の時に所持金をすべて預けること

 

② 脳貧血を起こすので、急に立ち上がらないこと

 

③ 血圧が低下するので、本断食中は洗髪を控えること

 

④ 朝夕に広間に集まって、般若心経を唱えること(静坐)

 

⑤ 本断食中は、一日2リットルの水を飲むこと

 

⑥ 散歩などの外出は許可を取ること

この中で

私にとって一番辛かったのは⑤でした。

 

真夏でしたから、山清水といえども

生ぬるくて美味しくないのです。

お煎餅でもあれば飲めるんですけれどね。

 

院長先生に尋ねました。

 

【ポカリスエットを入れて2リットル達成するのと

真水だけで達成できないのと

どちらの方が

身体に負担が少ないでしょうか】

 

【出来る限り薄目にして2リットル飲んでください】

こうして断食のスタート地点に立つことが出来ました。

≪予備断食が始まります・・・3~5日間≫

 

本断食の準備です。

徐々に内臓の働きを止めていきます。

 

「車は急には止まれない」と同じように

胃酸の分泌も急には止められないのです。

 

何しろ自律神経がコントロールしているわけですからね。

食事の量と内容を変化させて行くことによって

自律神経に、こんな風にサインを送ります。

 

【今から内臓に休んで貰いますので

胃酸ももう出さなくていいですよ】

 

自律神経を無視して

突然、本断食を始めたりすると

出続けている胃酸で、胃の粘膜を傷つけることにも・・・

 

2~3日のプチ断食が流行っていますね

 

この程度の期間でしたら、自己流でも

命に係わるほどの危険はありませんが

 

本格的な断食は、必ず指導者の下で

行うことを肝に銘じてくださいね。

予備断食の最後の食事は、重湯と梅干だけでした。

 

≪本断食が始まります・・・10日間≫

 

私はもともと空腹感が大好きでしたので

あまり辛いと感じませんでした。

 

若い男の方たちはテレビの食べ物のCMに

反応して「あ~あ、食いてえ~」

なんてぼやいていましたけれど。

 

あるときは

 

回復食の段階の人の部屋に

スタッフが食事をが運ぶときに

廊下に匂いが流れます。

 

この瞬間が

まだ、断食真っ最中の若い方には

鼻をくすぐる魔の時のようだとも。

朝になると

お琴の「春の海」の調べが流れてきて

ゆるやかに気持ちよく目覚めます。

やがて

初代の院長先生のお話が聞こえてきます。

 

個室で

まだ布団の中で聞いているのですが

気が付くといつも眠っています。

 

今日こそは最後まで聞こうと思うのですが・・・

 

とろとろと一日中

細切れに眠っていた覚えがあります。

ペーパーバック読破なんて、とんでもない!

 

1日2回は

広間で他の参加者と顔を合わせます。

皆和やかでいい雰囲気です。

その中に

70歳の男性がいらっしゃいました。

 

お肌はピンク色で艶やかで

赤ちゃんの肌みたいです。

身体も柔らかくて、開脚もバッチリ。

とても実年齢には見えませんでした。

この10年、毎年ここで断食をしているとの由。

デトックスを徹底すると

ここまで美しく年を重ねられるんだなあと

心から感心したものです。

 

≪回復食が始まります・・・10~12日間≫

 

スタートのときと同じように

休んでいた内臓を驚かせないように

重湯から身体になじませていきます。

 

湯のみ茶碗1杯の重湯を頂いただけで

汗が流れ出して

とても疲れた感じがしました。

まるでひと仕事終えたみたいに。

【消化するということは内臓にとって

大変なエネルギーのいることなんですよ】

と院長先生の言葉。

日を追うごとに普通食に近づいていきます。

この頃のことでした。

 

静養院の下の方から、

移動パン屋さんの売り声が聞こえてきたのです。

 

パン大好き人間の私には

初めて味わう断食の辛さだったかも知れません。

 

とにかく固いものが食べたくて仕方がないのです。

パンの耳のような。

噛むという行為は脳に刺激が行きますよね。

だから

わたしの胃よりも脳が【固いものちょうだい】と

せがんでいたのでしょう、きっと。

最後の頃のいつだったか定かではありませんが

宿便らしきものを確認。

 

チョコレートを湯煎にかけると滑らかになりますね。

食べ物に例えて申し訳ないのですが、

正直そんな感じなのです。

 

宿便なんて存在しないという専門家もいます。

なので私も確信は持てませんが・・・。

 

【宿便が出たのよ】

 

こう思ったほうが、究極のデトックスができたような

 

気分になれて楽しいでしょ?

 

もう一つ、大切なご報告を忘れていました。

 

初期の目的が達成されたのです。

 

【何でしたっけ? ですって?】

 

【慢性腎炎の改善ですよ。】

【2リットルもの水を飲んだら、明日の朝は

浮腫んで大変なことになっちゃう】

 

その心配が杞憂に終わったのです。

 

水道の蛇口を全開にしたみたいに

勢いよくお小水が出たのです。

 

ほとばしるという表現がぴったりでした。

嬉しかったですね。

 

ところでこんな騒動もありましたっけ。

 

夫の母に内緒で静養院へ来てしまいましたので

 

「断食なんてしたら死んでしまう」と大騒ぎに・・・

 

お年寄りにとって 断食=死ぬ なんですね。

 

前もって義母に伝えていたら

この冒険はたぶん実現しなかったと思います。

義母には

初代院長先生の著書を郵送しました。

断食で死ぬことはないと理解してくれたのでしょう。

心配そうな電話がパタッと止みましたから。

ところで

 

【まだ話題に出てこないなあ】

と気をもんでいる方 いらっしゃるかな。

 

【ねえ、ねえ、何キロ減ったの?】

 

これ、知りたかったんじゃありません?

 

普通は体重の1割減るそうです。

私も5キロ減って46キロになりました。

 

最後に

ちょっと微笑ましい一場面を

ご紹介させて頂いてもよろしいでしょうか?

 

帰宅後

 

毎日ご飯を炊いてみそ汁を作ってくれた次男に

約束のアルバイト代を渡したところ

 

【え~っ、ホントに、こんなに貰っていいの!!】

 

ですって。

 

可愛いでしょ?

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