転びかけた女の子

  • 2015/3/4
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昨日

地下鉄日比谷線、入谷駅でのこと。

 

私は、毎月恒例の

経絡の勉強に行く途中でした。

 

階段は途中から

急に幅が狭くなっています。

 

すれ違うのもやっとの感じ・・・

 

私の前を行くのは

ベビーカーを抱えた若いお母さん。

 

その前を小さな、小さな女の子が

手すりにしがみつくようにして

一歩一歩登っています。

 

お母さんは

ベビーカーを女の子のお尻の辺りに

ピタッと付けています。

 

万が一に備えてのことでしょう。

 

≪いつでもキャッチできるように≫

 

お母さんは、きっとそんな気持ちなのでしょう。

 

≪大丈夫かな?≫と思いつつ

成り行きを見ながら

私も、ゆっくりと後から上っていきます。

 

と、そのとき

地下鉄特有の強い風が

地上方向から吹き降りてきました。

 

風にあおられたのか

女の子は

右によろけて階段に手をつきました。

 

ベビーカーのバックアップがなかったら

危ないところでした。

 

私は思わず声を掛けていました。

≪お嬢ちゃんの手を引きましょうか?≫

 

お母さんのほっとしたような笑顔が

≪お願いします≫のサインでした。

 

≪おばちゃんとお手てをつなごうね≫

 

≪いや!≫といわれるかも知れないな

という思いが一瞬よぎりました。

 

柔らかなお餅のような手を

そっと握ると、振り払いもせず

そのまま一緒に上り始めてくれました。

 

地上にたどり着いて

女の子の顔をのぞき込むと

ニコッと笑ってくれました。

 

≪わたし、歩いて上れたよ≫とでも言うように。

 

時間にして

わずか1~2分のできごとでした。

 

言葉のやり取りはホンのわずか。

でも、そこには

温かなエネルギーの通い合いがありました。

 

これを書いている今も

あの小さな手の感触を思い浮かべると

ひとりでに微笑んでしまいます。

 

≪一瞬でも

この人生で、あなたに出会えてよかった≫

 

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