≪テレビの中にパパがいて、ここにもパパがいる?≫

  • 2015/3/29
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誰にでも

人生で初めての出来事があります。

 

夫にとっても初めて

幼い息子にとっても初めて

私にとっても初めて

 

こんなに

年齢も経験も異なる家族にとっての初めてのことって?

 

夫がテレビに出演したのです。

40年くらい前のこと。

 

NHKの朝の番組で

今で言えば≪あさイチ≫みたいなもの。

 

あさイチは生放送ですが

当時は録画摂りが普通。

 

番組の名前も

その日のテーマも

夫が何を話したのかも

すっかり忘れているのに

 

そのときの私の感情だけが

未だに鮮明なのは、なぜ?

潜在意識に刻印されるのは、感情だからかも知れないですね。

 

≪ネクタイ、曲がってないかしら≫

≪貧乏ゆすりが出なけりゃいいけど≫

 

これらの感情は、私にとっては目新しくもない、お馴染みのもの。

それが残っているということは

夫をテレビ画面で見るということが

私にとっても、大ごとだった証しなのかも知れませんね。

 

その日の夜

録画しておいた番組を、まだ幼い長男と見ていました。

 

≪パパだ!パパだ!≫とはしゃぐ息子。

急に立ち上がって、テレビの後ろに廻りました。

そして、不思議そうな表情で戻ってきました。

 

どうやら

テレビの箱の中にパパが入っていると思ったらしいのです。

 

そんなときに

 

玄関のチャイム・・・

夫のご帰還です。

 

リビングに夫が姿を現しました。

 

息子は、どんなに驚いたことでしょう。

表情が物語っていました。

まん丸に見開いた目・・ポカンと開いた口・・・

 

彼の頭の中は、さぞかし混乱状態だったでしょうね。

 

≪テレビの箱の後ろには、パパはいなかった・・・≫

 

≪でも、テレビの中にはパパがいる・・・≫

 

≪そして、今、ほんもののパパが、ぼくの前にいる・・・≫

今になってみると、親として未熟だったなぁと思います。

 

息子の心は、すっきりしなかったでしょうね。

たぶんこんな思いがあったのでは?

 

≪どうして、パパがふたりいるの?≫

 

≪どうして、あんな小さなテレビの中に入れるの?≫

 

幼いゆえに言葉で表現できなかったであろう

息子の心の中の≪モヤモヤ感≫が、今なら理解できます。

 

ファンタジー風に話してもよかったし

科学的な目線で話してもよかったし

何らかのフォローをすればよかったと後悔しきり・・・

 

現代の子どもたちは

テレビの中のバーチャルな世界と

目の前のリアルな世界を

どのように感じているのでしょうか。

テレビの後ろを確かめに行く子どもの姿は

もう見られないのでしょうか。

 

ちょっぴり淋しい気もするな~

追記

 

この後

ほとんどがNHKでしたが、夫のテレビ出演は

ポツポツとでしたが、30年ほど続きました。

 

あの時の父親の年齢を越えた長男に

≪また、お父さん、出るからね≫と言っても

≪あっ、そう≫と呆気ない返事・・・

 

慣れてしまったようですね。

 

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