ネコ人間の時代 ④

 

ネコ人間シリーズ最終回です。

 

登場するのは最もネコらしいネコ。

 

長い間続いてきたイヌ型社会の日本で

生きにくい思いを味わってきたのではないでしょうか。

 

怠惰で安楽を好み、孤独と自由を求めるタイプ。

資格をとるために勉強する気はありません。

 

自営業主として苦労する気もありません。

イヌのふりをすれば何とか集団の中で生きられたのですが

それも嫌だとなると、居場所がなくなってしまいます。

 

それでも

今変わりつつある社会の中で

この怠けもののネコでさえ、生きられる余地が増えつつあるのです。

これまでの日本の価値観をひと言で表現すると、どうなりますか。

 

≪みんなで一緒に頑張って、その成果を平等に配分しよう≫

まさに、イヌにピッタリの価値観でした。

ところが、こうしたイヌ社会日本も変化するときがやって来ました。

産業社会の変化です。

 

1970年代までは

 

≪より品質のいいものをもっと安く作れば、どんどん売れるさ≫

≪みんなで頑張る≫という日本の価値観が後押しをしてくれました。

 

その結果

GDPレースで、欧米諸国をごぼう抜きにしていきました。

 

1980年代になると

 

≪これまでのやり方では、どうも上手くいかないなぁ≫

≪こんなにいい品質でこんなに安いのに、なぜ売れないんだ?≫

というケースが少しづつですが増えてきたのは事実。

 

しかし

 

東アジアの国々が

まだ競争相手として成長していませんでしたから

国際競争力はまだまだ安泰と言えました。

 

≪日本の製造業は、なぜあんなに強いんだろう≫と

先進国の経営者が学びに来ていましたよね。

ところが、次第に

東アジアの競争相手が力をつけてきました。

競争が激しくなります。

 

商品の多様化が進みます。

何をどんなふうに作れば売れるのかが見えないので

商品開発のリスクが大きくなります。

いいものを作れば売れた時代は彼方に・・・

規制緩和、グローバル化も進みます。

経営者は、さまざまな場面で選択を迫られることになります。

 

経営方針をどうするか。

技術開発は何を重点にするか、どういう方針でやるか。

どのような商品を、どのように売るのか。

資金の運用や調達をどうするのか。

どこの国の、どの企業と提携するのか。

 

このような意思決定はリスクを伴います。

下手をすれば、企業の存続まで危ないことになりかねません。

 

しかし

これまでのように≪みんなで一緒に頑張って≫も

うまくいくものではありません。

 

将棋で言えば

素人が束になって頑張っても

ひとりの有段者にかなわないようなもの。

キーワードは≪適切な意思決定≫です。

 

その分野の才能の持ち主が才能をみがいて

リスクを冒してでも成功させようという気にならなければ

うまくいかないのです。

 

アップル社の商品化力が

アップル社を押し上げたことは周知の事実。

 

天才スティーブ・ジョブスに負うところが大きいですよね。

今は、このような天才が必要な時代なのです。

ところが

 

日本の企業の特徴は、減点主義と平等主義。

失敗はこんなふうに解釈されます。

 

≪あれは、頑張りが足りなかったからだ。

経営の意思決定が間違っていたわけじゃない≫

 

失敗すれば減点され

大きな貢献をしても、金一封で済まされる。

 

そんな風土で、リスクを冒して挑戦する人が現れるでしょうか。

日本経済を浮かび上がらせるほど十分な人数で・・・

 

日本が長期停滞に入った原因は

この環境変化に適応できなかったことにあるのではないでしょうか。

21世紀に入ると、様子がちょっと変わってきました。

 

リスクが高いことを任せるとうまくやる才能を持った人が

注目されるようになっていると言います。

 

イヌから見れば

変人で人つき合いが悪く、扱いにくいのです。

ネコっぽい人の中にこのタイプが多く見られるかも。

 

自分の属する組織の外の世界に

広く目をやっているからでしょうか。

発想の豊かさ、誰も持たないような視点の意外性があります。

 

怠けもののネコでも

自分の好きなこととなれば、それに熱中するところがあるから

潜在的な才能が開花することがあるのです。

 

環境が変わって

日本でも才能あるネコが市民権を得て

幸福な人生を手に入れる可能性がでてきたことになります。

もちろん、まだまだ、イヌの匂いがかなり残っています。

 

そんな中でも

才能を発揮しているネコ人間を

あなたの周りにも、見かけることがあるかも知れませんね。

追記

 

ネコは群れを作らないと言いましたが

状況によっては作ることがあります。

 

自分の好きなことを達成するために

群れる必要があれば、その時だけ群れるのです。

 

事が成就すれば、群れは解散となり

いつまでも名残を惜しんで群れたりはしないのです。

 

イヌは先ず群れを作ってから≪さぁ、何をしようか?≫ですよね。

 

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