煩悩も執着も、肯定すれば味方になる

 

ある小冊子で悟りについての記事が目に留まりました。

悟ると涅槃に行くといわれますね。

涅槃とはお釈迦様が行かれたところ。

そこに行くと輪廻転生から解放されるといわれています。

つまり、こういう状態のことらしい。

≪魂が十分に浄化されたから、もう肉体をまとって生まれる必要がないよ≫

 

私は輪廻転生という言葉の意味を知ったころから、いつも違和感を覚えていました。

≪何度も輪廻転生を繰り返して

魂みがきのゴールにたどり着いたら、もう二度と生まれてこなくていいんだよ≫

≪そんなの嫌だ≫という感じかな・・・

なぜなら≪また生まれてきたい、生きているって面白い≫と思っていたので。

 

 

人生には楽しいことばかりではないことは百も承知。

72年も生きてきたからこそ言えるのかも知れませんが

辛かったことも、悲しかったことも、淋しかったことも

怒りを覚えたことも、羨んだことも、憎んだことも、ウソをついたことも

恐れたことも、不安に襲われたことも、面倒に思ったことも

ひとつでも欠けたら、私の人生のジグソーパズルは一幅の絵になりません。

ピースの欠けた穴だらけの絵なんて今にも崩れそうですものね。

 

私はこの年齢になって初めて欠けているピースの存在に気づかされました。

私が見ないようにしていたので、欠けているように見えただけ。

ほんとうは、表面に蓋をされて≪ここにいるよ、出してよ≫とサインを送っていたらしい。

 

記事の主は

自分の悟りに対する考え方は一般的ではないと前置きして語ります。

心の平安をクリアした、いわゆる悟った人にありそうな情景とは

*少しのことでは狼狽しない。

*問題が起こっても平然としている。

つまり、外側よりも内側を大事にできる人を悟った人というらしい。

 

悟りの瞑想の指導者、バグワン・ラジニーシが面白い比喩を紹介しています。

≪ある寺で火事が起きました。若い僧侶は皆外に逃げたのですが

しかし高僧は瞑想したままでした。火事はボヤで済んだので

戻ってきた若い僧侶が尋ねました。”なぜ逃げなかったのですか?”

するとこう答えます。”皆は外に逃げたが、私は内側に逃げたのじゃ。心の中は平安じゃよ”≫

もしボヤで済まなければ、高僧は火だるまになって飛び出してくるはず。

≪心の中は平安じゃよ≫では済まされないのでは?と凡人の私は思います。

 

心の平安を乱すものといえば、煩悩と執着が二代横綱。

≪煩悩と執着を断ちなさい≫とよく言いますが

≪断つ≫という言葉から私がイメージするのは

≪切り捨てる≫とか≪追い払う≫イメージ。

 

存在を拒否された煩悩や執着は

≪分かりました。はい、さようなら≫と去っていくでしょうか。

その反対ではないでしょうか。

≪これまでお前を守ってきたのに、気づいてもくれなかった。

やっと私に気づいたら、出ていけとは何事だ!≫と居直ることでしょう。

じゃぁ、どうするの?

 

それは≪肯定≫です。

明治時代に生きた鈴木大拙という人の考え方です。

肯定されたものは、たとえそれが敵であっても

味方に変わってくれると言っています。

 

その反対に否定されたものは悪さを始めます。

だから、煩悩と執着を断つことを実行していくと

それらは意識下でその人に悪さを始めるのだそうです。

 

煩悩と執着は肯定されて当然いい気分になります。

すると、もともと持っていたポジティブ面が顔をだします。

≪よし、それなら一肌脱いでやるか≫と味方に変わってくれるのです。

そしてあなたのために必要な情報を運んでくれるでしょう。

 

ここ数年私は

表層意識で考えても思いつかないような

意外な人や本や状況に出会うチャンスに恵まれています。

それは≪もっと知りたい≫≪もっと向上したい≫という

煩悩と執着のお蔭だと思っています。

 

煩悩も執着も無意識の世界のできごと。

意識で作ろうとしても作れるものではないでしょう。

それを意識で抑えつけようとしたのが今までの≪悟り≫だとか。

無理に抑えつけようとすれば、暴れるのは当然。

 

煩悩と執着という言葉を別の言葉に置き換えてみましょう。

≪シャドウ≫でもしっくりきますね。

≪インナーチャイルド≫でも違和感はありませんよね。

 

あなたの心の洞窟に

存在さえ認められずにひっそりと隠れているこれらの存在。

暴れながらいつもあなたにサインを送っています。

 

誰かにイライラしたら、何となく不安を覚えたら

理由もなく悲しくなったら、気分で食べ過ぎてしまいそうなとき

見知らぬ人の輪に入るのが怖いとき、こういう自分が嫌いと思ったとき

ひょっとすると、サインかも知れません。

そんなときこそチャンスです!

自分の心に話しかけてみて。

欠けたピースが見つかるかもしれません。

忘れたころに、ふと返事が来たりして、生きているのが楽しくなります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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