「水蒸気蒸留法と圧搾法って、結局なにが違うの?」
精油のラベルやアロマの本でこの2つの言葉を見かけて、そんな疑問を持った方も多いのではないでしょうか。
抽出方法の違いは、香りの印象や保存期間、肌に使うときの注意点にまで関わってくるため、しっかり押さえておきたいポイントです。
結論からいうと、水蒸気蒸留法は「蒸気の熱で芳香成分を取り出す方法」、圧搾法は「柑橘類の果皮を搾って取り出す方法」。
この記事では、両者の仕組みや代表的な精油、メリット・デメリットを比べながらお伝えしていきます。
さらに、光毒性や保存期間といった安全面の注意点、精油選びのコツ、アロマテラピー検定で役立つポイントまで取り上げていくので、ぜひ最後まで読んでみてください!
水蒸気蒸留法と圧搾法の違いとは?抽出方法と特徴を比較

精油(エッセンシャルオイル)は、植物の花や葉、果皮などから芳香成分を取り出して作られます。
その代表的な取り出し方が、水蒸気蒸留法と圧搾法の2つ。
ここでは、それぞれの仕組みと特徴を比べながら、両者の違いをお伝えしていきます。
水蒸気蒸留法とは?水蒸気で芳香成分を取り出す仕組み
水蒸気蒸留法とは、植物に水蒸気をあてて芳香成分を気化させ、それを冷やして精油を取り出す方法のことです。
具体的には、まず蒸留釜に花や葉などの原料を入れ、下から高温の水蒸気を送り込みます。
すると、植物に含まれる揮発性の芳香成分が、蒸気と一緒に気体となって上昇していくのです。
次に、その蒸気を冷却管に通して冷やすと、再び液体に戻ります。
ちなみに、精油は水に溶けにくく、水より軽いものが多いため、冷えた液体の上層に分かれて浮かぶのが一般的。
この上澄みを集めたものが精油となり、下に残った水は「芳香蒸留水」として利用されています。
つまり水蒸気蒸留法は、熱と水蒸気の力で植物の香りを引き出す、もっともポピュラーな抽出方法です。
圧搾法とは?柑橘類の果皮から精油を抽出する仕組み
圧搾法とは、柑橘類の果皮に圧力をかけて、精油を搾り取る方法のことです。
オレンジやレモンの皮を指でつまむと、細かいしぶきとともに爽やかな香りが広がりますよね。
実はあのしぶきこそ、果皮の表面近くにある「油胞(ゆほう)」から飛び出した精油そのもの。
圧搾法では、この油胞を機械で押しつぶしたり削ったりして、芳香成分を取り出していきます。
かつては手作業で果皮を搾り、にじみ出た精油をスポンジに吸わせて集めていた時代もありました。
一方、現在はローラーや遠心分離機などを使った機械圧搾が主流となっています。
加熱しない点が大きな特徴で、「コールドプレス」と呼ばれることもあるのです。
まとめると、圧搾法は熱を加えずに柑橘類の香りを搾り出す、果皮専用ともいえる抽出方法です。
水蒸気蒸留法と圧搾法の違いが一目でわかる比較表
両者の違いを整理すると、ポイントは「熱の有無」と「原料となる部位」の2つに集約されます。
なぜなら、この2点の違いが、香りの印象や含まれる成分、保存性などの差を生み出しているからです。
具体的な違いを、以下の表にまとめました。
| 項目 | 水蒸気蒸留法 | 圧搾法 |
|---|---|---|
| 抽出の仕組み | 水蒸気で芳香成分を気化させ、冷却して分離 | 果皮を機械で圧搾し、遠心分離などで分ける |
| 熱の使用 | あり(100℃前後の水蒸気) | なし(常温) |
| 主な原料 | 花・葉・茎・根・木部・樹脂など幅広い | 柑橘類の果皮 |
| 代表的な精油 | ラベンダー、ペパーミント、ティートリーなど | スイートオレンジ、レモン、グレープフルーツなど |
| 香りの傾向 | 熱で一部の成分が変化することがある | 果実そのものに近いフレッシュな香り |
| 不揮発性成分 | ほとんど含まれない | 色素やワックス、フロクマリン類などを含むことがある |
| 副産物 | 芳香蒸留水 | 特になし |
| 開封後の保存期間の目安 | 約1年 | 約半年 |
表を見ると、同じ「精油」でも、作られ方によって性質がかなり異なることがわかります。
この2つの軸を意識しておくと、後半でお伝えする香りや安全性の違いも理解しやすくなるはずです!
なぜ植物によって抽出方法が異なるのか?
植物によって抽出方法が異なるのは、芳香成分が蓄えられている場所や、熱への強さが植物ごとに違うためです。
なぜなら、香りを損なわずに効率よく取り出せる方法は、原料の性質によって変わってくるからです。
例えば、柑橘類の果皮では、表面近くの油胞に精油がたっぷり蓄えられています。
そのため、わざわざ加熱しなくても、搾るだけで十分な量を得られるのです。
しかも、柑橘系の香り成分には熱で変化しやすいものが多く、加熱すると香りの印象が損なわれやすいという事情もあります。
対して、ラベンダーやペパーミントは、葉や花の腺毛などに少しずつ芳香成分を含んでいる植物。
搾るだけでは効率よく集められないため、蒸気の熱で成分を気化させる方法が選ばれています。
なお、ジャスミンのように熱に弱い花の場合、蒸留では香りが損なわれやすいことから、溶剤抽出法など別の方法が用いられます。
このように、植物の構造や成分の性質に合わせて、もっとも適した抽出方法が選ばれているのです!
水蒸気蒸留法と圧搾法で抽出される代表的なエッセンシャルオイル一覧

抽出方法の違いがわかったところで、実際にどんな精油がそれぞれの方法で作られているのか気になりますよね。
ここでは、代表的なエッセンシャルオイルを抽出方法ごとにご紹介していきます。
水蒸気蒸留法で抽出される精油の種類と特徴
水蒸気蒸留法は、アロマテラピーで使われる多くの精油に採用されている、汎用性の高い方法です。
なぜなら、花や葉だけでなく、樹脂や根、木部など、幅広い部位に対応できるからです。
代表的な精油と、抽出に使われる主な部位は以下のとおり。
・ラベンダー(花穂):フローラルで穏やかな香り
・ペパーミント(葉):スーッとした清涼感のある香り
・ティートリー(葉):すっきりとシャープな香り
・ユーカリ(葉):清々しくクリアな香り
・ローズマリー(葉):ハーブらしい力強い香り
・ゼラニウム(葉):ローズに似た甘くフローラルな香り
・フランキンセンス(樹脂):落ち着きのあるウッディな香り
・サイプレス(葉・枝):森林を思わせる爽やかな香り
ちなみに、ジャーマンカモミールの精油は濃い青色をしています。
これは、蒸留中の熱によって「カマズレン」という青い色素成分が生まれるためで、水蒸気蒸留法ならではの特徴といえるでしょう。
このように、水蒸気蒸留法の精油は種類が豊富なので、好みに合う香りを見つけやすいのも魅力です!
圧搾法で抽出される柑橘系精油の種類と特徴
圧搾法で作られる精油は、そのほとんどが柑橘類の果皮から抽出されるものです。
なぜなら、搾るだけで十分な量が得られるほど油胞に芳香成分を蓄えている植物は、柑橘類以外にほぼ見当たらないからです。
代表的な柑橘系精油には、以下のようなものがあります。
・スイートオレンジ:甘くやさしい、親しみやすい香り
・レモン:キリッとしたフレッシュな香り
・グレープフルーツ:ほろ苦さのある爽やかな香り
・ベルガモット:フローラル感をあわせ持つ上品な香り
・マンダリン:甘くまろやかな香り
・ユズ:和の趣を感じさせる清々しい香り
どれも果物を食べたときのような、みずみずしさが感じられるのが共通点。
そのうえ、比較的手頃な価格で手に入るものが多く、アロマ初心者でも取り入れやすいジャンルとなっています。
明るく軽やかな香りを楽しみたいときは、ぜひ柑橘系の精油を試してみてください!
同じ植物でも抽出方法が異なる精油はある?
結論からいうと、同じ植物でも部位や目的によって、異なる抽出方法が選ばれるケースがあります。
なぜなら、植物の部位ごとに芳香成分の蓄え方や性質が違い、求める香りや安全性によっても最適な方法が変わるからです。
その代表例が、ビターオレンジという1本の木から作られる3種類の精油。
・ビターオレンジ(果皮):圧搾法
・ネロリ(花):水蒸気蒸留法
・プチグレン(葉・枝):水蒸気蒸留法
同じ木から採れるにもかかわらず、それぞれまったく異なる香りを持つ点が興味深いところです。
また、ライムやレモンのように、圧搾法と水蒸気蒸留法の両方で作られる柑橘系精油も存在します。
一般的に、蒸留タイプは光毒性の原因となる成分をほとんど含まないとされ、肌に使う場面で選ばれることがあります。
さらに、ローズには水蒸気蒸留法の「ローズオットー」と、溶剤抽出法の「ローズアブソリュート」の2種類があるのです。
このように、同じ植物名でも抽出方法によって香りや性質が変わるため、購入時は表示をよく確認してみてください!
水蒸気蒸留法と圧搾法のメリット・デメリットを徹底比較

どちらの抽出方法にも、長所と短所の両方があります。
ここでは、水蒸気蒸留法と圧搾法それぞれのメリット・デメリットを整理しながらお伝えしていきます。
水蒸気蒸留法のメリットとデメリット
水蒸気蒸留法の最大のメリットは、幅広い植物に使えて、品質の安定した精油を得やすい点です。
なぜなら、気化しやすい芳香成分だけを集める仕組みなので、色素やワックスなどの不揮発性成分が混ざりにくいからです。
主なメリットは、以下のとおりです。
・花、葉、樹脂、根など、さまざまな部位に対応できる
・不揮発性成分が混ざりにくく、クリアな精油になりやすい
・化学溶剤を使わずに抽出できる
・副産物として芳香蒸留水も得られる
しかし、熱を使う方法である以上、いくつかの弱点も抱えています。
・熱や水の影響で、一部の成分が変化・分解することがある
・ジャスミンなど熱に弱い花には向かない
・水に溶けやすい芳香成分は、精油側に残りにくい
・蒸留設備や燃料、時間などのコストがかかる
つまり、汎用性と安定性に優れる一方で、熱の影響を受けやすいのが水蒸気蒸留法の特徴といえます。
圧搾法のメリットとデメリット
圧搾法のメリットは、熱を加えないことで、果実本来のフレッシュな香りをそのまま閉じ込められる点です。
なぜなら、加熱による成分の変化が起こらず、果皮に含まれる芳香成分を自然に近い状態で取り出せるからです。
主なメリットは次の3つ。
・果実そのものに近い、みずみずしい香りが得られる
・工程がシンプルで、比較的手頃な価格の精油が多い
・果汁の製造と並行して精油を得られることが多い
ただし、圧搾法には注意すべきデメリットも少なくありません。
・柑橘類の果皮以外には使えない
・不揮発性成分が混ざり、光毒性を持つ精油がある
・酸化しやすく、保存期間が短め
・果皮を直接搾るため、栽培時の農薬が移る可能性も指摘されている
農薬が気になる場合は、有機栽培の原料を使った精油を選ぶのも一つの方法です。
このように、香りの鮮度という大きな魅力がある反面、扱い方には少し気を配りたいのが圧搾法の精油です!
抽出効率や製造コストにはどのような違いがある?
一般的に、圧搾法は工程がシンプルで、水蒸気蒸留法よりも製造コストを抑えやすい方法です。
なぜなら、加熱用の燃料や大型の蒸留設備が不要なうえ、果汁を作る工程と並行して精油を得られるからです。
実際、スイートオレンジなどの柑橘系精油は、比較的リーズナブルな価格で販売されていることが多いですよね。
一方で、水蒸気蒸留法の精油は、原料によって価格に大きな差が出ます。
例えば、ローズオットーは1kgの精油を得るのに数トンもの花びらが必要とされ、高価な精油の代表格。
それに対して、ラベンダーは比較的多くの精油が採れる植物なので、手に取りやすい価格帯の商品が多くなっています。
以上のように、精油の価格は抽出方法だけで決まるものではありません。
原料からどれだけ精油が採れるか(収油率)や、栽培・収穫の手間によっても大きく左右されるのです!
抽出方法によって香りや品質、安全性はどう変わる?

抽出方法の違いは、香りの印象だけでなく、成分の構成や安全性、保存性にも影響を与えます。
ここでは、精油を選ぶうえで知っておきたい「香り・品質・安全性」の違いを見ていきましょう。
水蒸気蒸留法と圧搾法では香りや成分がどう違う?
水蒸気蒸留法の精油は澄んだ香りに、圧搾法の精油は果実そのものに近いフレッシュな香りになりやすいのが特徴です。
なぜなら、加熱の有無によって、成分が変化するかどうかや、精油に含まれる成分の種類が変わるからです。
まず水蒸気蒸留法では、蒸気とともに気化しやすい成分だけが集められます。
その過程で、熱によって一部の成分が変化することもあるのです。
さらに、水に溶けやすい成分は芳香蒸留水のほうへ移りやすいという特徴もあります。
例えば、ローズの香りを特徴づける成分の一つ「フェニルエチルアルコール」は水に溶けやすく、ローズオットーにはわずかしか残りません。
対して圧搾法の柑橘系精油は、多くがリモネンという成分を主体とした、果皮の香りをそのまま写し取ったような構成。
加えて、色素やワックス、フロクマリン類といった不揮発性成分も含まれることがあります。
このように、抽出方法の違いは香りの雰囲気や成分のバランスにはっきりと表れるのです!
どちらが高品質?抽出方法と精油の品質の関係
結論として、抽出方法だけで精油の品質の優劣が決まるわけではありません。
なぜなら、それぞれの方法は植物の性質に合わせて選ばれており、品質を左右するのは原料や製造・保管の管理状態だからです。
具体的には、以下のような要素が精油の品質に関わってきます。
・原料植物の産地や栽培方法、収穫時期
・原料の鮮度
・蒸留温度や時間など、製造工程の管理
・混ぜ物や合成香料が加えられていないか
・製造後の保管状態
例えば、同じラベンダーの精油でも、蒸留の条件が適切でなければ香りのバランスは崩れてしまいます。
逆に、きちんと管理された圧搾法の柑橘系精油は、非常にクオリティの高い香りを楽しませてくれるはず。
だからこそ、抽出方法の違いではなく、信頼できる情報を公開しているメーカーかどうかに注目することが大切です!
圧搾法の柑橘系精油に注意したい光毒性とは?
光毒性とは、肌につけた成分が紫外線と反応し、炎症や色素沈着などの皮膚トラブルを引き起こす性質のことです。
圧搾法の柑橘系精油には、「フロクマリン類」と呼ばれる不揮発性の成分が含まれることがあります。
その代表が、ベルガモットに含まれる「ベルガプテン」という成分。
ほかにも、レモンやグレープフルーツ、圧搾法のライムなどは、光毒性に注意が必要な精油として知られています。
なお、光毒性の強さは精油の種類によって異なり、すべての柑橘系精油が同じように注意を要するわけではありません。
肌に使う場合は、以下のポイントを必ず守りましょう。
・適切な濃度に希釈して使う
・塗布後は数時間〜半日程度、直射日光を避ける
・日中の外出前ではなく、夜のケアに取り入れる
・フロクマリン類を除去した「ベルガプテンフリー(FCF)」タイプを選ぶ
ちなみに、肌につけずに香りを楽しむ芳香浴であれば、光毒性を心配する必要は基本的にありません。
つまり光毒性は、柑橘系精油を肌に使うときにこそ意識しておきたい、圧搾法ならではの注意点です。
精油の酸化や保存期間は抽出方法で変わる?
抽出方法によって、精油の酸化しやすさや保存期間の目安は変わります。
なぜなら、圧搾法で得られる柑橘系精油の多くは、空気に触れると酸化しやすいリモネンを主成分としているからです。
開封後の保存期間は、一般的に以下が目安とされています。
・水蒸気蒸留法の精油:約1年以内
・圧搾法の柑橘系精油:約半年以内
酸化した精油は香りが変化するだけでなく、肌への刺激の原因になることもあります。
そのため、保存の際は次のような点に気をつけてみてください。
・遮光瓶に入れ、キャップをしっかり閉める
・直射日光や高温多湿を避け、冷暗所で保管する
・火気の近くに置かない
・子どもやペットの手が届かない場所に置く
もし香りが変わったり、にごりが出たりした場合は、肌への使用は控えるのが安心です。
特に柑橘系の精油は、小容量のボトルを選んで早めに使い切ることをおすすめします!
水蒸気蒸留法と圧搾法はどちらを選ぶ?目的別の精油の選び方

ここまでの内容を踏まえて、実際にどのように精油を選べばよいのかが気になるところですよね。
ここでは、目的別に精油選びのポイントをお伝えしていきます。
芳香浴で香りを楽しむ場合の選び方
芳香浴が目的なら、抽出方法を気にしすぎず、純粋に「好きな香り」で選んで問題ありません。
なぜなら、芳香浴は精油を肌に直接つけないので、光毒性などの心配がほとんどないからです。
例えば、朝のすっきりした時間にはレモンやグレープフルーツなど、圧搾法の爽やかな柑橘系がぴったり。
反対に、夜のくつろぎタイムには、水蒸気蒸留法のラベンダーやフランキンセンスのような落ち着いた香りを選ぶ方も多くいます。
また、柑橘系は香りが早く飛びやすい傾向があるため、ウッディ系やフローラル系とブレンドすると香りが長続きしやすくなります。
ただし、長時間続けて香らせたり、狭い部屋で濃い香りを漂わせたりするのは控えめにし、こまめに換気することも大切です。
まずは気になる香りを1本選んで、気軽に芳香浴を楽しんでみてください!
スキンケアやマッサージに使用する場合の注意点
精油を肌に使う場合は、必ず希釈したうえで、圧搾法の柑橘系精油の光毒性に注意しましょう。
なぜなら、精油は植物の芳香成分が高濃度に凝縮されたもので、原液のまま肌につけると刺激になるおそれがあるからです。
希釈濃度の目安として、AEAJ(公益社団法人 日本アロマ環境協会)では、ボディ用で1%以下、フェイス用で0.1〜0.5%を推奨しています。
たとえばキャリアオイル30mlで1%の濃度にする場合、精油は約6滴(1滴=約0.05ml換算)が目安です。
そのほか、肌に使う際は以下の点にも気を配ってみてください。
・使用前にパッチテストを行う
・柑橘系精油は夜に使う、または蒸留タイプやFCFタイプを選ぶ
・精油を飲んだり、目や粘膜につけたりしない
・肌に異常を感じたら、すぐに使用を中止して洗い流す
なお、妊娠中の方や持病のある方、子どもや高齢者、ペットがいる環境での使用は、事前に医師や専門家へ相談すると安心です。
正しい方法を守ることが、精油を心地よく楽しむための第一歩になります!
精油を購入するときに確認したい抽出方法と商品表示
精油を購入するときは、ラベルや商品説明に「抽出方法」を含む基本情報が明記されているかを確認してみてください。
なぜなら、必要な情報がきちんと開示されているかどうかが、品質や信頼性を見極めるうえでの目安になるからです。
チェックしておきたい主な項目は、以下のとおり。
・学名(植物の正式な名前)
・抽出部位(花、葉、果皮など)
・抽出方法(水蒸気蒸留法、圧搾法など)
・原産国
・内容量
・使用期限やロット番号
・輸入元・発売元の情報
さらに、成分分析表を公開しているメーカーであれば、より安心して選べるでしょう。
一方で、「アロマオイル」と表記された商品の中には、合成香料が含まれていたり、精油が希釈されていたりするものもあります。
植物100%の精油を求めるなら、「エッセンシャルオイル」「精油」と明記された商品を選ぶのがおすすめです!
水蒸気蒸留法・圧搾法以外にもある?エッセンシャルオイルの抽出方法と芳香蒸留水の基礎知識

精油の抽出方法は、水蒸気蒸留法と圧搾法だけではありません。
ここでは、それ以外の抽出方法や、水蒸気蒸留法から生まれる芳香蒸留水について取り上げていきます。
溶剤抽出法や超臨界CO₂抽出法との違い
水蒸気蒸留法や圧搾法以外にも、植物の性質に合わせたいくつかの抽出方法があります。
なぜなら、熱に弱い花のように、蒸留や圧搾では香りを十分に取り出せない原料も存在するからです。
代表的なものは、以下の3つです。
・揮発性有機溶剤抽出法:ヘキサンなどの溶剤に原料を浸して芳香成分を溶かし出す方法。花から得たものは「アブソリュート」、樹脂から得たものは「レジノイド」と呼ばれる
・油脂吸着法:油脂に香りを吸着させる伝統的な方法。常温で行う「アンフルラージュ(冷浸法)」と、温めた油脂を使う「マセレーション(温浸法)」がある
・超臨界流体抽出法:高い圧力をかけた二酸化炭素(CO₂)を溶剤のように使う方法。低温で抽出でき、得られたものは「エキストラクト」と呼ばれる
例えば、ジャスミンの香りは熱に弱く、一般的には溶剤抽出法によるアブソリュートとして流通しています。
また、超臨界流体抽出法は溶剤が残りにくく、植物本来に近い香りを得やすい一方、設備のコストが高いという特徴を持つ方法。
なお、油脂吸着法は手間がかかることから、現在ではほとんど行われていません。
このように、それぞれの方法には得意な原料があるため、香りの違いを比べてみるのも楽しみ方の一つです!
水蒸気蒸留法で得られる芳香蒸留水とは?
芳香蒸留水とは、水蒸気蒸留法で精油を取り出す際に、同時に得られる水のことです。
冷却後に精油と分かれた水には、水に溶けやすい芳香成分や、ごく微量の精油成分が含まれています。
「フローラルウォーター」や「ハイドロゾル」と呼ばれることもあり、代表的なのはローズウォーターやラベンダーウォーター。
精油よりもやわらかく穏やかな香りが楽しめるので、ルームスプレーのように空間に香らせる使い方も人気です。
ただし、防腐剤が入っていないものも多く、精油に比べて傷みやすいので、冷蔵保存してなるべく早めに使い切ることが大切です。
また、雑貨として販売されている芳香蒸留水は、肌への使用を想定していない場合があります。
肌に使いたいときは、化粧品として販売されている製品を選んでみてください。
つまり芳香蒸留水は、精油とはまた違った香りの魅力を持つ、水蒸気蒸留法ならではの副産物です。
アロマテラピー検定で覚えておきたい抽出方法のポイント
アロマテラピー検定の対策では、「抽出方法」「原料の部位」「代表的な精油」「得られる製品名」をセットで覚えるのがおすすめです。
なぜなら、方法の名前だけでなく、特徴や対応する精油との組み合わせまで理解しておくと、さまざまな角度からの問題に対応しやすくなるからです。
押さえておきたい主なポイントを、以下にまとめました。
・水蒸気蒸留法:もっとも一般的な方法。副産物として芳香蒸留水が得られる
・圧搾法:柑橘類の果皮が原料。熱を使わない。光毒性や酸化に注意が必要
・揮発性有機溶剤抽出法:花から得たものはアブソリュート、樹脂から得たものはレジノイド
・油脂吸着法:アンフルラージュ(冷浸法)とマセレーション(温浸法)の2種類
・超臨界流体抽出法:二酸化炭素を利用する。得られたものはエキストラクト
あわせて、光毒性に注意が必要な精油としてベルガモットやレモン、グレープフルーツなども覚えておくと安心です。
ちなみに、検定の出題範囲や公式テキストの内容は改訂されることがあります。
受験前には、AEAJの最新の公式テキストで内容を確認してみてください!
まとめ

水蒸気蒸留法と圧搾法の違いは、「熱を使うかどうか」と「原料となる植物の部位」にあります。
水蒸気蒸留法は、蒸気の熱で花や葉、樹脂などから芳香成分を取り出す、もっとも一般的な抽出方法です。
一方で圧搾法は、柑橘類の果皮を加熱せずに搾ることで、フレッシュな香りを閉じ込める方法。
その違いは香りの印象だけでなく、光毒性の有無や保存期間の長さにも表れています。
とはいえ、どちらが優れているというわけではなく、植物の性質に合わせて最適な方法が選ばれているにすぎません。
これから精油を選ぶときは、まずラベルの「抽出方法」や「抽出部位」をチェックしてみてください。
そのうえで、芳香浴なら好きな香りを自由に、肌に使うなら希釈濃度や光毒性に気を配るといった具合に、目的に合わせて使い分けることが大切です。
抽出方法の違いを知ることで、精油選びはもっと楽しく、もっと安心なものになるはず。
ぜひこの記事を参考に、自分にぴったりのエッセンシャルオイルを見つけてみてください!





